レシートのスキャンと撮影は何が違うのか
スキャナ画像を家計簿に取り込む方法
家計簿の「レシートスキャン」という言葉は、スマホで撮影することとスキャナで取り込むことの両方に使われています。混同したままスキャナを用意しても、多くの場合は必要ありません。違いと、スキャナ画像を取り込むときの注意点を整理します。
「レシートスキャン」は2つの意味で使われている
家計簿の文脈で「スキャン」という言葉が出てきたとき、指しているものが2つあります。ここが混ざっていると、必要のない機材を買うことになります。
| 意味 | 使う機材 | 実際の操作 |
|---|---|---|
| ① スマホで読み取る | スマホだけ | カメラでレシートを撮る |
| ② スキャナで取り込む | スキャナ/複合機 | 原稿台に載せて画像ファイルにする |
家計簿アプリが「レシートスキャン」と書いているとき、ほぼ①です。スキャナは要りません。「スキャン」は「読み取る」という意味で使われています。
②が必要になるのは、たまっているレシートをまとめて処理したい場合や、印字が薄くて撮影ではうまく読めない場合です。
2つの違い
解像度
スキャナは原稿台に密着させて読み取るので、ピントのずれも歪みもありません。300dpi で取り込めば、レシートの小さな文字も余裕を持って解像します。
ただしこの高解像度がそのまま活きるとは限りません。多くの家計簿アプリは通信量を抑えるため、送信前に画像を縮小します。縮小後のサイズが同じなら、スキャナ画像もスマホ写真も条件は変わりません。
影と反射
ここは明確にスキャナが有利です。撮影では自分の影が落ちたり、感熱紙が照明を反射して白飛びしたりします。スキャナは光源が固定されているのでこの問題が起きません。
しわ・折り目・丸まり
スキャナは蓋で押さえるため、レシートが平らになります。撮影では丸まったレシートのカーブ部分で文字が縦につぶれるので、財布でくしゃくしゃになったレシートはスキャナのほうが確実です。
手間
撮影は買い物直後に数秒で終わります。スキャナはPCの前まで移動して、原稿台に載せて、ファイルを保存して、アプリに取り込むという工程が必要です。1枚あたりの手間は明らかに撮影のほうが軽くなります。
つまずくのはPDFです
スキャナで取り込んで家計簿アプリに入れようとしたとき、最もよく起きる失敗がこれです。
スキャナや複合機は、既定でPDFとして保存する設定になっていることが多いです。書類のスキャンではPDFが便利なので、そうなっています。
ところが家計簿アプリのほとんどはPDFを受け付けません。受け付けるのはJPEG・PNGといった画像形式です。ファイルを選ぼうとしても候補に出てこない、選んでも「対応していない形式です」と出る、という状態になります。
対処
- スキャナの設定で保存形式を「JPEG」または「PNG」に変更する(多くの機種で「ファイル形式」「原稿の種類」の項目にあります)
- すでにPDFで保存してしまった場合は、PDFを開いて画像として書き出すか、画面をそのまま画像として保存する
解像度は300dpiで十分です。600dpiにしてもファイルが重くなるだけで、アプリ側で縮小されるため精度は変わりません。むしろファイルサイズの上限に引っかかる原因になります。
どう使い分けるか
手間の差が大きいので、基本は撮影、うまくいかないものだけスキャナという切り分けが現実的です。
| 状況 | 向いている方法 |
|---|---|
| 買い物のたびに記録する | スマホで撮影 |
| 印字が薄くなった古いレシート | スキャナ |
| しわ・折り目がひどいレシート | スキャナ |
| 数十枚たまってしまった | スキャナ(自動給紙があれば特に) |
| 長いレシート | どちらも分割が必要 |
最後の項目だけ補足します。長いレシートはスキャナで取り込んでも解決しません。アプリ側で縮小される段階で1文字あたりの画素数が足りなくなるためで、これは長いレシートが途中で切れる理由で説明しているとおりです。上下に分けて取り込むのが確実です。
カケイシピの場合
カケイシピはPCのブラウザからでもレシート画像を取り込めます。「🖼️ 写真から選ぶ」でファイルを指定する方式なので、スキャナで作った画像ファイルをそのまま渡せます。
複数のファイルをまとめて選べます。選んだ分が順番に読み取られ、1件ずつ確認しながら登録していく流れです。たまったレシートをスキャナで取り込んでおいて、まとめて処理する使い方ができます。
受け付ける形式は JPEG・PNG・WebP・HEIC で、PDFは受け付けません。1枚あたりの上限は8MBです。300dpiのレシート1枚なら十分収まります。
なお、撮影ボタン(📷 今すぐ撮影)はスマホ表示のときだけ出ます。PCにはカメラで書類を撮る用途がないためで、PCでは「写真から選ぶ」を使ってください。
よくある質問
スキャナを買う価値はありますか
レシートのためだけに買う必要はないと考えます。手間が増えるぶん記録が続かなくなるほうが損失が大きいためです。すでに複合機がある、確定申告で書類のスキャンにも使う、といった場合に活用する程度で十分です。
スマホのスキャナアプリではだめですか
使えます。書類スキャン用のアプリは台形の歪みを補正して平らに見せてくれるので、撮影より読み取りやすい画像になります。ただし保存形式がPDFになっていないか確認してください。ここも同じ落とし穴があります。
白黒(モノクロ)で取り込んだほうがよいですか
カラーのままで問題ありません。現在の読み取りはカラー画像を前提に作られているものが多く、白黒に変換すると薄い印字が消えることがあります。ファイルサイズを減らしたい場合も、白黒化ではなく解像度を下げるほうが安全です。
まとめ
- 家計簿アプリの「レシートスキャン」はほぼスマホ撮影のこと。スキャナは要らない
- スキャナが有利なのは影・反射・しわ。解像度の高さはアプリ側の縮小で相殺されやすい
- 最大のつまずきはPDF。スキャナの既定がPDFで、家計簿アプリは受け付けない。JPEGかPNGに変更する
- 解像度は300dpiで十分。上げてもファイルが重くなるだけ
- 基本は撮影、印字が薄い・しわがひどい・数十枚たまったものだけスキャナ